活動報告

薬物依存症からの回復のための体験談とアドバイス

今回は、「薬物依存症」から、どうやって回復していったら良いのか?

精神科や心療内科で行われている治療について。

カウンセリングの重要性

刑務所での「薬物依存離脱指導プログラム」の実態などについてお話しています。

ぜひ、ご覧下さい!

みなさんこんにちは。Dr.TAKAです!

以前「覚醒剤について」や「脱法ドラッグについて」など、色々な解説をさせて頂きました。みなさんから、専門的なご意見や応援のメッセージを頂けて、すごく嬉しく思っています。
これからも、薬物の話などをしていきたいと思いますが、今日は、私が実際経験した、薬物使用するまでに至った経緯と、そこから「どうやって回復したか?」ということを、お話しようと思います。

私が薬物使用に至った経緯

前の動画でも説明していますが、2020年の8月頃から死にたいと思うようになって、自殺する目的で、覚醒剤を購入しはじめました。
そこからどんどん苦しくなっていって、最終的には、2020年の12月28日に、大量の覚醒剤を注射して自殺を図ったと考えられます。
「考えられる」というのは、当時の意識が飛んでいて、記憶がないので、「考えられる」としか言いようがないのですが、実際そういう流れになったということです。
この4ヶ月間というのは、毎日覚醒剤を使っていたので、その時が「薬物依存」だと言われれば、致し方ないことだと思います。
当時はそういう状況で、毎日注射して使っていたという感じですが、その後、どうなったかというと、自殺を図った日に、国立国際医療研究センター病院に救急車で搬送されて、そこで尿検査が行なわれ、覚醒剤の陽性反応が出たので、警察に通報されたという流れになります。そこから「何でか?」は、分からないのですが、病院で暴れたかなにかして、それで「強制退院」になって、埼玉県の精神科の救急病院に送られました。

医療保護入院

気づいた時は閉鎖病棟というか、完全に閉鎖された部屋に隔離されていて、自分自身、何が起こったのか全くわからない状況でした。
1週間ぐらいして、普通の個室の病室に移されて、そこから入院生活が始まったのですが、入院中に、治療らしい治療が行われたか?というと全くそういうことはなくて、ただ薬を1日1回飲んで、3食食べて、寝ているだけでした。
日中は、食堂でテレビを観ているか、自分の部屋で新聞や雑誌を読んでいるかという生活でした。

元妻が「医療保護入院」の申請をしていたので、「同意がないと出られない」とのことで、早く出してほしかったのですが、なかなか出してもらえませんでした。
ある時、「離婚届に判を押せば、出してやる」という話になって、それなら仕方ないと思って、同意しました。
元妻が病院まで離婚届を持ってきて、離婚届を看護師さんが病棟まで運んできて、それにサインをして持って帰って終わりという感じで、それから2日ぐらいして退院になりました。

退院から留置場生活、保釈、クリニックへの受診

退院した時は、病院の敷地から一歩出たところに警察の車両が待っていて、3~4人ぐらいの警察官がいて、逮捕状を見せられて、逮捕されて、そのまま新宿区にある戸塚警察署に移送されて、留置場生活がはじまったという感じです。
そこから40日間ぐらい勾留されて、弁護士が頑張って保釈を取ってくれたので、一応シャバには出られましたが、何をしたら良いか分からない状態でした。
元々の主治医から過去に「脱法ドラッグ」とか、そういった経験もあるし、今回は「覚醒剤」なので依存症専門のクリニックを受診しなさいと言われて、新宿区にあるアパリクリニックを受診しました。
そこで裁判に向けて「上申書」などを作ってもらったりしたのですが、依存症専門のクリニックと言っても、精神療法やカウンセリングなどがあるわけではなく、「薬を出して終わり」という感じで、本当に辛かったです。

カウンセリング

裁判を控えて、また「死にたい」という風に思うようになって、どうしようもなくなったので、アパリクリニックの主治医に「カウンセリングを受けたいのですが…」と相談したら一ヶ所は「原宿カウンセリングセンター」、もう一ヶ所は「矢田の丘相談室」を紹介してもらいました。

両方とも、オンラインでカウンセリングを受け付けています。2ヶ所カウンセリングを受ける場所を紹介されたので、両方とも申し込んで、色々と話を聞いてもらって、だんだん心の整理というか、気持ちの整理がつくようになって、だいぶ精神的に安定して、裁判を迎えたという感じです。

精神科や心療内科の特徴

私の方で、「人生相談」をはじめましたが、精神科や心療内科では基本的に話というのは聞いてくれません。症状に合わせてお薬を処方する・調整するということはやってくれますが、根底にある「生きづらさ」や、「精神的な問題」「死にたい気持ち」に対して「どう対処したらいいのか?」などのアドバイスは全然してくれません。

今、精神科や心療内科を受診している人がいると思いますが、そこで話を聞いてくれないとか、カウンセリングをやってくれないという人も、いっぱいいると思います。それは精神科や心療内科の特徴です。

症状にフォーカスして、それに合わせた薬を処方するのが精神科の仕事なので、「カウンセリング」は、また別で受ける必要があります。なので、今そういう「苦しい思いを抱えている」とか、そういう人は、ぜひ、私がやっている「人生相談」に申し込んで頂いて、まずは「話してみる」、そこで「繫がる」「自分の悩みを解き放つ」という流れが必要になりますので、一度、考えてみて頂きたいと思います。

自助グループに繋がる

その後、裁判が進行して、2年2月の実刑判決が決まったのですが、その時に「YouTube」は再開していたので、それを、たまたまX(旧Twitter)や、ブログ(note)を見た方がいて、その方に「ギャンブル依存症問題を考える会」の塚本堅一さんや田中紀子さんを紹介して頂いて、それで初めて「自助グループ」に繋がりました。

「ギャンブル依存症問題を考える会」というところは、「たかりこチャンネル」をご覧になっている方は分かると思いますが「ギャンブル依存」だけではなく、「薬物依存」や「アルコール依存」など相談窓口にもなっています。依存症全般の普及・啓発活動をやっているところです。

田中紀子さんと、高知東生さんと塚本堅一さんが中心になって、「自助グループ」をやっていて、その中で「何をやってるのか?」というと、「12ステッププログラム」というのをやっています。これは、アメリカ発祥で、もともとは「アルコール依存症」のプログラムからスタートしたのですが、まず、自分が薬物問題に対して無力であることを認めて、そこから「ハイヤーパワー」と言いますが、「大きな目に見えない力」に自分の心身を委ねて、「薬物依存から回復していく」そういう段階を踏んだプログラムがあります。

僕も、月に1回通っていて、そこで仲間たちと、色々な話や経験など、そういったものを打ち明けながら、共に回復していくというプロセスを踏んでいます。

そういうものがあるから、今は、すごく精神的に安定して過ごせているということもあるので、私の「人生相談」を受けて頂いた後は、そういった「自助グループ」「家族会」「ダルク」など、そういったものに繋がって、「12ステッププログラム」に取り組んで、それで徐々に心身を回復させていくということが、大切なことだと思います。

刑務所での薬物依存離脱指導プログラム

私の場合、その後に刑務所に入ったのですが
刑務所内で「どんなことが行われているのか?」というと、刑務所の中では
「薬物依存離脱指導プログラム」というものがあります。

刑期が終わりに近くなってくると、受刑者の中から、5人ぐらいピックアップされて、「教育」に呼ばれます。私がやったのは、週に1回、1回2時間のプログラムを、だいたい8週ぐらいかけて行うプログラムでした。

テキストを渡されて、「薬物の使用に至るようになった原因」や「また薬物が手に入れられる状況になったらどうするか?」など。あとは実際に薬物を断る練習みたいな、ちょっとした劇みたいなことをやったりします。

各個人はニックネームでお互いを呼び合います。アノニマスグループや自助グループでも使うのですが、ニックネームをそれぞれ付けあって、その名前で呼びます。
私の場合は、デイヴィッドという風に名前をつけていましたが、他の人も、色々付けていて、それぞれの体験談などを語っていくというスタイルでした。

教育担当のオヤジが1人いて、刑務所側の教育職員が2人、ダルクから2人参加していました。職員側・施設側からは5人ぐらいいて、受刑者側も参加者5人という感じです。

そこで、色々と薬物を使用した時の経験などを話し合うのですが、私の場合、覚醒剤を使って良かったとか、そういう体験がなかったので、話すことが何もなくて、すごく困りました。
他の人の場合、その時多かったのは「大麻」です。「大麻」とか「MDMA」とか「そういうものを使ったことがある」という経験談を聞いたので、何か逆に興味が出てきてしまったというか、そういうものを使ったら「そんな風になるんだ!」みたいな「気づき」があって、何か逆に興味が出てしまったというか「本当に再犯の予防になるのかな?」という気になりました。

あとは覚醒剤を毎日使っていて「会社で稼いだお金を全部覚醒剤に使ってしまって、それで毎日会社に行って」というビーな話も聞いたりして、「やっぱり、そういう人もいるんだな」とか、そういうことも、思ったりしました。
1回2時間で、合計8回ぐらいのプログラムなので、全然大したことがなくて、やっても、すぐ忘れてしまいます。

ワークブックというのがあって、それに色々なことを書いて気づきを促すのですが、それを社会に持って帰ろうとしてもダメです。最終的に、出所の時に、そういった「ワークブック」とか、自分が書いたものは全部取り上げられて、社会に出されるので、せっかく「薬物依存離脱指導プログラム」を受けたのに、その成果を持って帰れないという現実があります。
なので日本の再犯率がすごく高くて、その中でも薬物事犯の再犯率がすごく高いと言われていますが、そういった貧弱な「薬物依存離脱指導プログラム」の実態というのが、再犯率が下がらない一つの原因なのではないかと思います。

出所にあたって、どこかの施設を紹介するとか、そういったことは全然なくて、自ら進んで身元引受人を「ダルク」にして社会に戻っていく人もいるのですが、そういう人は良いです。出てすぐそういった施設につながって回復を目指すのが最良の道です。

しかし、そうではない人は、薬物を使っていた時と同じ環境に戻ってしまうので、そうしたら、そこでまた誘惑があれば、絶対、再使用してしまうと思います。それが「再犯率が下がらない原因ではないか?」思っています。

今、薬物問題で苦しんでる人にとって「何が必要か?」というと、一つはそういう「悪い人間関係を断つ」ということです。「すっかり付き合う人を変えてしまう」ことが必要になります。そのために必要だったら「ダルク」などに入所して、人間関係を絶ってしまうということが必要になります。

あとは仕事も辞めて、他の仕事に就くとか、そういったことも必要になってきます。だから自分が住んでる環境とか、置かれてる場所とか、そういったものから一切解き放たれて、全く「新しい自分として生き直す」という必要があります。

そうしないと、また悪い友達などが寄ってきて「薬やらない?」とか、そういう「ちょっとしたきっかけ」で、再発することになりますので、今、薬物依存で苦しんでる人にとっては、環境を一切変えてしまうことが大切だと思います。

そのために必要なリソースというのは、国の方でも、色々なバックアップ制度があるので、薬物の相談窓口などに「どうしたら良いか?」と相談をすることが大切だと思います。

薬物問題で困っている方へ

私の「人生相談」にお申し込み頂ければ、公的な機関だけでなく、「ダルク」や「たかりこチャンネル」で出てきた、「自助グループ」など、そういったものも紹介できますし、色々な病院やクリニックなど、そういったところも紹介できます。

それだけでなく、「誰にどう話していいのか分からない」という悩みを聞いて、そこから「一緒に解決策を考える」という活動をしていますので、薬物問題で困ってる方は本人もそうですが、ご家族も含めて、まず私の方まで相談して頂ければと思います。

市販薬や処方薬などの「オーバードーズ」が社会問題になってきていますので、これから先
もっと普及啓発活動というか、依存症予防の普及啓発活動が必要だと思っています。
私も「ギャンブル依存症問題を考える会」などを通じて普及啓発活動に、取り組んでいきたいと思っていますので、応援して頂けたらうれしいです。

今日は、私が薬物(覚醒剤)を使用して「どうなったのか?」ということ。
刑務所での「薬物依存離脱指導プログラム」の実態。
そこから、「どうやって回復していったら良いのか?」ということについてお話させて頂きました。

引き続き「Dr.TAKAチャンネル」よろしくお願いします!
それでは今日はこの辺で。

薬物問題でお困りのご本人はもちろん、ご家族様からのご相談もお待ちしております!
Dr.TAKA(栗原隆)
Dr.TAKA(栗原隆)

Dr.TAKA

ABOUT ME
Dr.TAKA(栗原隆)
■1975年12月28日生まれ ■2005年東京医科大学大学院博士課程修了・博士(医学)の学位取得 ♦医学博士の資格と医師としての経験を活かし、”日本を元気にする”をキャッチコピーに、「薬物依存の予防」と「子供たちの未来を守る」ための活動を2024年1月より本格的にスタート!応援よろしくお願い申し上げます。
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