美容と健康

【絶対に見過ごすな!】脳梗塞の危険な前兆

皆さんこんにちは。Dr.TAKAこと内科医でスポーツドクターの栗原隆です。

私は今年末についに50歳になるんですけども、この年になると、私の親世代が、脳卒中で倒れたとか、〇〇さんが脳梗塞になったっていう話をよく耳にします。

皆さんはどうですか?

また、最近SNSとかを眺めていると、お若い方が脳出血になったとか、そういう投稿なんかもよく目にしますよね。

脳卒中、脳出血、他にもくも膜下出血、脳梗塞とか、よく耳にされると思うんですけれども、医療関係者でないと、何がなんだか混乱してしまいますよね。

脳卒中とは?

わかりやすく整理すると、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血は、脳の血管疾患のことで、これらを一般的に「脳卒中」と呼んでいます。

名前は聞いたことあるけれど、どれがどんな症状なのかよくわからないという方のために、もう少し噛み砕いて説明していきます。

✅脳梗塞とは脳の血管が詰まって、血流が途絶えることで脳細胞が死んでしまう病気です。

✅脳出血は脳内の血管が破れて出血するタイプで、これは高血圧などが主な原因になります。

✅くも膜下出血は脳動脈瘤というコブの破裂などによってくも膜という部分に出血が起こる病気です。

ちなみに脳卒中の中では脳梗塞が圧倒的に多いです。

なんとなく脳梗塞は高齢者だけの病気と思っていませんか?実は働き盛りの40代・50代でも突然発症することがあります。決して他人事ではありません。

🧠脳梗塞の原因

脳梗塞は脳の血管が詰まることで起こります。その原因は大きく2つに分けられます。

① 動脈硬化によるもの
高血圧や糖尿病、脂質異常、喫煙などが数年から数十年続くことで血管が傷ついて硬くなることを動脈硬化といいます。傷ついた血管の内側に「プラーク」と呼ばれる塊ができるのです。このプラークが大きくなって血流を妨げたり、突然剥がれて飛んでいって細い血管に詰まり、脳梗塞を引き起こします。

② 心臓から血栓が飛んでくるタイプ
心臓にできた血の塊(血栓)が脳に流れ込む場合です。特に心房細動という不整脈がある方は注意が必要です。心房細動とは心臓が不規則に動いて血液が滞り、血栓ができやすくなる状態です。この血栓が脳に流れて詰まると、突然かつ激しい症状を伴う広範囲の脳梗塞を引き起こすことがあります。

⌛発症後の時間が命を分ける

脳梗塞は一刻を争う病気です。発症からほんの数時間、病院に行くのが遅れただけで治療ができなくなったり、改善できるはずの症状が後遺症として一生残ってしまうことがあります。

  • 発症から4時間半以内であればTPAという血栓を溶かす薬を投与する治療が可能です。
  • 発症から8時間以内であれば、カテーテルを使って血管内の血栓を直接取り除く治療が可能な場合もあります。

実際の事例から

Yputubeの視聴者さんからの質問です。

叔父はコロナ禍に70代前半で脳梗塞になり、今も施設に入っています。無表情で車椅子生活、5年近く経ちます。発見がかなり遅れました。数ヶ月前にも寝込んで大騒ぎになったことがありましたが、あれも脳梗塞だった気がします。

やはりこういう方の場合、もっと早く見つかっていれば社会復帰もできた可能性があります。脳梗塞の治療は、詰まった血管を取り除いて、脳に再び血液を供給するのが早ければ早いほど、後遺症が残る可能性が下がると言われています。

発症から4時間半以内に治療を受けた方の多くは、症状が残らない状態まで回復できる可能性が高いのです。

ですので「少し様子を見よう」とか「大げさかな」と思わず、症状が出たらすぐに救急車を呼ぶこと。これがあなたや家族の一生を左右します。

🧠脳梗塞の初期症状・サイン

脳梗塞の症状は突然現れるのが特徴です。脳のどの部分の血管が詰まるかによって症状は異なりますが、代表的なものは次の5つです。これらは片側のみに現れることが多いという特徴もあります。

① 顔のゆがみ:笑おうとしたときに顔の片側に力が入らず、口角が下がる。食べ物や水を片方からこぼすことで気づくことも。

② 手足の麻痺:片側の手足に力が入らなくなり動かしにくくなる。指が離れてしまう、手が内側に落ちていくなど。軽い場合もあるので油断禁物です。

③ 言葉の異常:呂律が回らない、言葉が出てこない、相手の話を理解できないなど。セルフチェックとして「パタカパタカ」と発音してみるのも有効です。

④ 感覚の異常:片側の手足や顔にしびれを感じたり、温度や痛みを感じないなど。動きに問題がなくても感覚異常だけ出ることもあります。

⑤ 視覚の異常:片目が見えなくなる、視野の一部が欠ける、物が二重に見えるなど。後頭葉に異常が起きると同名半盲という症状も出ます。

一過性脳虚血発作(TIA)とは

これらの症状が数分〜1時間以内、くても24時間以内に消えることがあります。これを「一過性脳虚血発作(TIA)」といいます。血栓が一時的に血管を詰まらせたものの、すぐに血流が再開した状態です。

症状が消えても安心してはいけません。
TIAは脳からの最終警告ともいえるサインです。TIAを経験した人のうち約5%が48時間以内、15〜20%が90日以内に本格的な脳梗塞を発症します。

早期治療で発症率を80%減らせるともいわれています。

🚑症状が出た時の対応

もし今まで話したような症状がひとつでも現れたら、迷わず救急車を呼んでください。

「夜中に救急車を呼ぶのは迷惑ではないか」「これくらいで呼ぶのは大げさでは」と感じてしまう方もいますが、それが命取りになります。救急隊は症状から脳梗塞の可能性を判断し、専門治療ができる病院に最短で搬送してくれます。

病院側も脳血管の専門チームが待機しており、すぐ治療できる体制を整えています。発症時刻をできるだけ正確に覚えておく、あるいはメモしておくことも大切です。

まとめ:予防が最も重要

脳梗塞は早期に対処できれば後遺症を最小限に抑えられますが、最も大切なのは予防です。高血圧や糖尿病、脂質異常、喫煙など生活習慣の管理、定期的な健康チェックが重要です。また、家族との連絡や見守り、緊急時にすぐ対応できる体制を整えておくことも大切です。

Dr.TAKA

ABOUT ME
Dr.TAKA(医学博士・栗原隆)
【資格・略歴】 医師・医学博士 ◆医籍登録番号:408511 ◆医籍登録年月日:2000年4月28日 ◆25年目の医師、内科医でスポーツドクターのDr.TAKAこと栗原隆が、みなさまの心と体、両方が元気になるよう願いを込めて、エビデンスに基づいた最新の医療・健康情報をお届けしています。
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12月13日リリース

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