美容と健康

【卵の新常識】卵の栄養と効果がすごい!効果的な食べ方を内科医が解説

今、なぜ卵が再注目されているのか?

こんにちは!Dr.TAKAこと内科医(生活習慣病の専門家)の栗原隆です。

近年、卵が「完全栄養食」として医学的に再評価されています。特に、ご高齢の方や体力が落ちている方にとって、卵は「最強のサポーター」として再認識されている側面があります。

父が卵が癌に効くと言ってむしゃむしゃ食べていますが、癌にもいいのでしょうか?
卵を食べると癌が治るというのは言い過ぎですが、癌治療中の体力維持に卵は非常に効果的です。
Dr.TAKA(栗原隆)
Dr.TAKA(栗原隆)

卵の持つ豊富な栄養素と、最新の研究で明らかになった健康効果について詳しく解説します。

「完全栄養食」と呼ばれる驚異の栄養価

卵は、ビタミンCと食物繊維以外のほぼ全ての栄養素を含んでいる「完全食品」です。たった1個の中に、体に必要な様々な栄養素が詰まっていることが、「完全栄養食」と呼ばれる所以です。

完璧なバランスのアミノ酸スコア100

人間の体は主にタンパク質でできており、その材料となるのがアミノ酸です。

アミノ酸の中でも、体内で合成できない9種類の「必須アミノ酸」が存在します。卵には、この9種類の必須アミノ酸が、これ以上ないほどの完璧なバランスで含まれており、その質の高さを表すアミノ酸スコアは100です。

主要な栄養素の含有量

  • タンパク質: 卵1個で6.2gのタンパク質を摂取できます。これは、成人男性が1日に必要とするタンパク質の約1/10にあたります。
  • 脂質: 必須脂肪酸であるリノール酸や、悪玉コレステロールを上げにくいオレイン酸が含まれています。さらに、魚に多いとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)も含まれています。
  • その他の栄養素: 免疫機能に関わるビタミンD、細胞の修復に必要な亜鉛、貧血を防ぐ鉄分など、重要な栄養素が豊富に含まれています。

最新の研究が示す卵の三大効果(目、脳、代謝)

卵の効能は、単に栄養補給や治療中の体力維持に良いというだけではありません。最新の研究では、目、脳、代謝の3つの観点から、新しいエビデンス(科学的根拠)が示されています。

目:老化予防と失明リスクの低減

特に高齢者の方に推奨したいのが、目の老化予防効果です。

  • 卵黄(黄身の部分)には、ルテインゼアキサンチンという強力な抗酸化作用を持つ成分が豊富に含まれています。
  • これらの成分は、目の網膜を保護する役割を果たし、具体的には、失明の大きな原因となる加齢黄斑変性や、年齢を重ねることで水晶体が濁る白内障のリスクを下げる可能性が示唆されています。

大規模臨床試験によると、サプリメントで摂取すると喫煙者の肺がんリスクを高める可能性があったベータカロテンを、卵に含まれるルテインやゼアキサンチンに置き換えたところ、安全性に優れながら、同等の効果が期待できることが分かりました。

ゼアキサンチンとは

ゼアキサンチン (zeaxanthin) は、目の網膜に含まれるカロテノイドの一種。

このため、サプリメントではなく食品である卵から摂取することは、非常に安全で効果的な戦略であると言えます。

脳:記憶・学習能力のサポート

卵黄に含まれるコリンという成分は、脳内での記憶や学習に関わる神経伝達物質であるアセチルコリンの材料になります。そのため、特に認知症の方などにとっては、コリンを卵から補給することが大切です。

代謝:2型糖尿病発症リスクを低減

意外かもしれませんが、ある研究では、卵の摂取量が多いグループ(1日1個)が、摂取量が少ないグループと比較して、2型糖尿病の発症リスクが40%低かったというデータがあります。

卵は糖質がほぼ含まれておらず、良質な脂質とタンパク質を含んでいるため、血糖値を急上昇させません。むしろ、代謝を改善する働きがあるのではないか、と考えられています。

食べ過ぎの心配は?コレステロールに関する最新の知見

昔の常識では、「卵は1日1個まで」と言われていました。これは大体1990年代頃に言われていた古い情報です。

卵にはコレステロールが多く含まれていますが、最近の研究では、食事から摂取するコレステロールの値が、実際にLDL(悪玉)コレステロールを上げるわけではないことが示されています。

そのため、現在では、脂質の摂取量から見ても、卵の数制限を気にする必要はないという結果が出ています。

  • 一般的な方: 1日1個や、多くて3個程度までは、ほとんど問題ないと言えます。健康診断で異常を指摘されたことがない方であれば、極端に多い量(例えば10個や20個)はやりすぎですが、それ以外は問題ないでしょう。
  • 注意が必要な方: ただし、家族性高コレステロール血症など、LDLコレステロール値が上がりやすい体質の方の場合、卵の摂取量には注意を払う必要があります。
一日何個食べてもいいってこと?

近年では「卵は1日1個まで」という常識は否定されているため、何個食べても特に問題ありませんが、色々な体質の方がおられるので、1日1個が安心安全だと思います。

内科医が推奨する効果的な食べ方と注意点

推奨される卵の種類

研究でしっかりと効果が明らかになっているのは、鶏の卵です。うずらの卵やピータンなど様々な卵がありますが、研究に基づいた効果を期待するなら、鶏の卵を摂取することが推奨されます。

消化吸収に最も良い調理法

消化吸収の観点から、内科医として最もおすすめしたいのは半熟の卵です。

  • 半熟は、最も消化吸収が良いと言われています。温泉卵なども良いでしょう。
  • 固ゆでの卵でももちろん問題ありませんが、半熟が最も吸収が良いです。
  • オムレツなど、他の調理法でも問題ありません。

生食(卵かけご飯)に関する注意点

生で卵を食べる場合、食中毒などの危険性もありますが、特に注意すべきは消化への負担です。

  • 胃腸に不調を抱えている方は、生卵は消化に負担がかかるため、摂取を控えるか注意が必要です。
  • 一般的な胃腸が丈夫な方にとっては、朝の卵かけご飯は良い習慣だと言えます。

卵は、毎日摂取しても特に問題なく、むしろ積極的に摂るべき食材です。ぜひ日々の食生活に取り入れて、その恩恵を受けてください。

ABOUT ME
Dr.TAKA(医学博士・栗原隆)
【資格・略歴】 医師・医学博士 ◆医籍登録番号:408511 ◆医籍登録年月日:2000年4月28日 ◆25年目の医師、内科医でスポーツドクターのDr.TAKAこと栗原隆が、みなさまの心と体、両方が元気になるよう願いを込めて、エビデンスに基づいた最新の医療・健康情報をお届けしています。
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12月13日リリース

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